佐渡の自然が守ってくれる。佐渡島黒豚と寄生虫対策のリアル
先日、島外の方と人生初のZOOMでお話する機会がありました。とても緊張して、うまく話せたとは言えませんが、その中で印象に残った質問があります。
「放牧するにあたり、寄生虫にはどのような対策をしていますか?」
正直、一瞬答えに詰まってしまいました。でも改めて考えると、 佐渡の自然そのものが、寄生虫対策になっている ことに気づきました。今日はその理由をお話しします。
🌿 佐渡の自然が寄生虫対策になる4つの理由
① 放牧地をローテーション
広い放牧地を区切り、場所を変えながら放牧しています。
これにより、同じ場所に長く豚がいないため、寄生虫の繁殖サイクルを断ち切ることができます。
② 気候が寄生虫に厳しい
佐渡の冬は0℃以下になることが多く、地面が凍結します。
夏は30℃を超える高温と乾燥で、寄生虫の幼虫が生き残りにくい環境です。
③ 砂地の地質
佐渡の放牧地は砂地で水はけが良く、地面の温度が上がりやすいのが特徴です。
そのため、微生物や寄生虫が定着しにくい土壌環境になっています。
④ 島ならではの立地
佐渡にはイノシシや他の養豚場がほとんどなく、外部から病気が持ち込まれにくいです。
見回りの際、若い豚から順に確認するなど、細かな管理も徹底しています。
🌾 放牧地で玄米を撒いたら…
余談ですが、出荷後の放牧地で玄米を撒いてみたことがあります。
梅雨の雨が続いた後、なんと自然に芽が出ていたんです。もちろん、お米を育てるのが目的ではありません。ですが、 自然の雨だけで発芽するほど豊かな土 になっていることに感動しました。
この土は、放牧中の豚たちが歩き、掘り、排泄することで、時間をかけて耕されてきたものです。
無農薬で育つ根菜もとても美味しく、自分は特にカブが好きです!
種まきは、地元のベテラン農家の先輩にお願いしています。本当に感謝です。
🌱 自然と共に、安心できる放牧を
放牧を始めて間もない頃、3〜4ヶ月齢の子豚の弱さに不安を感じたこともありました。
でも今では、この 自然の力に守られた環境 に感謝しながら、日々豚たちと向き合っています。
佐渡の自然と豚たち、そして私たちの暮らし。
これからも、この素晴らしい循環を大切にしていきたいです。