やわらかいお肉は、それだけで「美味しい」と感じやすいです。
まず思い浮かぶのが、筋肉内脂肪「サシ」や「霜降り」です。
筋肉の中に、適度に脂肪が入っていると、脂肪そのものがやわらかいため、噛んだ時の口当たりがよくなります。
さらに、脂肪は加熱すると香りやコクにもつながり、ジューシーに感じやすくなります。
ただし、お肉のやわらかさは、サシだけでは決まりません。
他にも、筋繊維の性質、結合組織、遺伝的要因、筋肉がどれだけ水分を保っているか、そして、と畜後の熟成や調理方法など。さまざまな要素が重なって、「やわらかさ」や「おいしさ」になります。
「脂が入れば、やわらかくなる」だけではない
肉の大部分を占めるのが、水分です。
豚肉では、おおまかに、水分・タンパク質・脂肪が主な成分です。
肉が持っている水分をしっかりと保つことができれば、加熱したときに抜けすぎにくく、パサつきにくい。
つまり、「水分をどれだけ保てるか」もやわらかいお肉をつくるための重要なポイントです。
だから私は、「脂肪を入れること」と「水分を守ること」を大切にかんがえています。
そこで、佐渡島黒豚にデュロックを掛け合わせてみました
佐渡の黒豚には、放牧による適度の運動によって生まれる、ほどよい噛みごたえや肉の締まりがあります。
一方で、もっと「やわらかく、食べたときにおいしいお肉」にできないかなと。
そこで考えたのが、デュロックとの掛け合わせになります。
もちろん、そんな簡単な話ではないことは知っています。
肉質は、品種だけではなく、遺伝的な組み合わせ、飼料、環境などさまざまな条件により変わります。
その中でも、デュロックの持つ肉質や脂肪交雑の特徴を取り入れることで、脂肪によるジューシーさや口当たりの良さを追加できないか。とそんな考えから始まりました。
目指すは、
きめが細かく、口当たりがよい、
やわらかいけど噛んだときに肉らしさも残る。
噛むほどにうまみを感じるお肉。
やわらかさを考える上で「保水力」は重要
豚は、と畜されると、筋肉の中で死後硬直が起こります。
生きているときはしなやかだった筋肉が、一時的に硬くなります。
その後、時間の経過とともに硬直が解けます、さらに熟成が進むことで、お肉の食感が変化し、うまみや香りなどの風味も出てきます。
だから、「新鮮だから、と畜直後が一番おいしい」とは限りません。
実際に、と畜した豚について、お肉屋さんからいつも
「6日間くらいは熟成させてから」といつも言われてきました。
お肉の「硬さ」には、結合組織も関係する
筋肉には筋繊維だけではなく、結合組織もあります。その代表がコラーゲンです。
お肉の硬さや噛みごたえにも関係します。
また、加齢などで硬くなってしまう性質の変化もあります。
ではどうすれば「やわらかく、美味しいお肉」になるのか?
3つです!
第一に、肉の「保水力」を守る。
豚が生きているときから、輸送やと畜まで、ストレスをできるだけ減らし、お肉から水分が抜けにくい状態をつくる。
第二に、適度な「脂肪交雑」をつくる
遺伝的な要因や飼料設計などで、筋肉の中に適度な脂肪を入れ、ジューシーさや口当たり、香り、コクをよくする。
第三に、と畜後の「熟成」を適切に行う
死後硬直が解け、熟成により肉本来のやわらかさと風味が出てくる。それまで、温度管理や適切に管理することが重要。
佐渡の豚で目指したい肉
佐渡の環境を生かし、
脂肪交雑でおいしさとジューシーさを、
保水力で、やわらかさとパサつきにくさを、
適切な熟成で、風味と食感の変化を。
「やわらかいだけではない、噛んだときにちゃんと肉のおいしさがある豚肉」
を目指す。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
がんばります。
